冷凍博士 鈴木徹先生が解説!【システム冷凍〜初級編〜】凍結だけではない冷凍の基本的考え方
食材を冷凍する場合、「凍結」にばかり気を取られがちですが、実は凍結は冷凍において一部の要素でしかありません。
食材を冷凍する際には 「素材→前処理→凍結→冷凍保存→解凍・調理」というプロセスが必要ですが、それぞれを深掘りし、
その組み合わせを考える【システム冷凍】という考え方が重要です。
今回はこの【システム冷凍】の考え方を提唱されている、冷凍博士こと
東京海洋大学 特任教授 鈴木徹 先生の研究室に訪問しました!
家庭での冷凍、ホームフリージングから、冷凍食品の商品開発などにも活用できる、
冷凍の基本であり、神髄でもある「システム冷凍」について考え方を語っていただきましたので、
Youtube解説動画をぜひご覧ください!
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「冷凍博士」 鈴木 徹 先生のご紹介
日本を代表する冷凍博士、鈴木先生をご紹介いたします! 鈴木先生は現在東京海洋大学 特任教授をされながら、
メディア出演や冷凍に関する科学的な研究を長年されている冷凍のプロフェッショナルです。
システム冷凍とは?
食材を冷凍するまでには、「素材→前処理→凍結→冷凍保存→解凍・調理」というプロセスがあります。
システム冷凍とは、凍結だけでなく、システムとして全体を捉えて、より美味しい冷凍を目指す考え方です。
今回はその初級編として、システム冷凍の基礎を教えていただきました。
システム冷凍 ① 素材
システム冷凍の一番目のプロセスである「素材」は、食材の冷凍で最も重要なポイントです。 どんな食材でも、美味しさを保つにはフレッシュな状態で冷凍保存することが必要です。 美味しく冷凍するためには、どのような状態・時期が適しているか?どのような調理法が適しているか?具体例も合わせて動画で解説いただいています。
システム冷凍 ② 下処理
次のプロセスである「下処理」も 解凍するときのことを考えて食材の切り方、サイズ、冷凍前に食材に合わせた調理方法が必要です。 冷凍保存中でも乾燥などで食材は変化していくため、劣化を防ぐための保存方法についてや、冷凍時のNGも教えて頂きました。
システム冷凍 ③ 凍結
プロセス③の「凍結」では、できるだけ速く凍らせることが大事です。業務用では急速凍結という方法が使われていますが、ホームフリージングではなかなか難しいですよね。ご家庭で早く凍結させるためにはいくつかポイントがあり、「粗熱をとる」ことや「できるだけ薄く平らにする」ことが挙げられます。
システム冷凍 ④ 保存
冷凍の本質は、長く保たせることです。保存中に食材は様々な変化が起きるため、保存温度によっても状態が異なります。その理由についても、科学的な視点から詳しく解説いただきました。 また、美味しく冷凍保存するには、冷凍庫の開け閉めや冷蔵庫の環境も大きく関わっています。せっかく新鮮な食材を下処理しても、冷蔵庫の扱い方によって味が落ちてしまう事もあるので、要チェックです!
システム冷凍 ⑤ 解凍
最後のプロセスである「解凍」では、加熱解凍、氷水解凍、流水解凍、冷蔵庫解凍と様々な方法があります。 しかし解凍方法によっては、逆に食材の味が落ちてしまう事も・・・「解凍」はちょっとした違いで雲泥の差になるため、美味しく食べるために最も重要なプロセスと言えます。 それぞれの解凍方法の特徴や、食材によってどの方法が適しているか、科学的な観点からより詳しく解説いただいています。
以上、システム冷凍の5つのプロセスをご紹介しました。 「冷凍」には各プロセスのポイントをおさえ、システムとしてトータルで考えることが大切です。 どのプロセスも関連しているため、それぞれのバランスを考えながら工夫していけば、より美味しい冷凍を実現することが可能です。
ただ冷凍するのではなく、システム冷凍の考え方を取り入れ、ぜひ美味しい冷凍を楽しんでいただければと思います。
東京海洋大学 特任教授 鈴木徹 先生、この度はご協力をいただき、ありがとうございました。
(冷凍食品の本)
鈴木徹先生に冷凍の科学の部分を監修いただいた「いますぐ食べたい!冷凍食品の本(自由国民社)」こちらもぜひご覧ください。
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